発達障害のある人が婚活で困ったとき、「結婚相談所へ相談すればよいのか」「発達障害者支援センターで婚活の相談をしてよいのか」「医療機関へ相談する問題なのか」が分かりにくいことがあります。
このページでは、ASDやADHDなど個別の特性に絞らず、発達障害のある人が婚活で支援を使うときの相談先を整理する総合案内として解説します。
具体的な困りごとは診断名だけでは決まりません。プロフィール作成、予定管理、会話、仕事、生活、診断・治療など、何に困っているかを分けて考える方が相談先を選びやすくなります。
ASDに関連する困りごとを中心に確認したい場合は、ASDの婚活でサポートが必要なときをご覧ください。返信忘れや予定管理などADHDに関連する困りごとを中心に確認したい場合は、ADHDの婚活でサポートが必要なときで詳しく整理しています。
発達障害の婚活支援は「診断名」より「困っている作業」で分ける
同じ発達障害という言葉に含まれていても、婚活で止まりやすい場面は人によって違います。
たとえば、プロフィールを一人で作れない人と、仕事や生活が崩れて婚活の予定を入れられない人では、必要な支援が同じとは限りません。
まず、現在の困りごとを次の5領域に分けます。
- 婚活実務
- 日常生活・地域生活
- 仕事・就労
- 診断・治療・こころの健康
- 交際相手との関係調整
複数にまたがる場合は、一つに無理にまとめる必要はありません。婚活支援と医療、婚活支援と就労支援などを並行して使うこともあります。
婚活実務|結婚相談所・婚活カウンセラーへ相談しやすいこと
プロフィール、お見合い、日程調整、デート後の振り返り、交際の進め方などは、婚活サービスが扱いやすい領域です。
たとえば、次のような困りごとがあります。
- プロフィールを一人でまとめられない
- どの相手へ申し込むか決められない
- 日程調整で止まる
- 初対面前に準備することを整理したい
- デート後に相手への印象を整理しにくい
- 相手の意向を確認したい
- 診断や特性を伝える時期・内容を相談したい
- 結婚前に確認する項目を整理したい
この場合は、「発達障害があるので手厚く支援してほしい」と伝えるだけでなく、どの作業で繰り返し止まるかを具体的に伝える方が支援内容を確認しやすくなります。
一般の結婚相談所と発達障害対応型の相談所はどう選ぶ?
発達障害があるから、必ず発達障害専門の結婚相談所を使う必要はありません。
一般の相談所でも、日程調整、交際相談、相手側相談所との連携などが本人の困りごとに合う場合があります。
一方、発達障害への対応を明示している相談所では、診断や特性について最初から相談しやすい、伝え方や活動上の困りごとを扱った経験がある、といった利点がある場合があります。
見るべきなのは「専門」という名称だけではなく、実際に何をしてもらえるかです。
- 予定管理まで一緒に確認するのか
- デート後の振り返りをどこまで行うのか
- 相手への伝え方を相談できるのか
- 担当者への連絡方法を調整できるのか
- 医療・福祉の相談と婚活支援を区別しているか
結婚相談所そのものの選び方は、発達障害の結婚相談所選びで詳しく確認できます。
日常生活・地域生活|発達障害者支援センターなどへ相談する領域
発達障害者支援センターは、結婚相手を紹介したり、お見合いを組んだりする結婚相談所ではありません。
一方、発達特性による生活上の困りごと、地域の支援先、就労や対人関係に関する相談などを扱う地域の専門機関です。
婚活で起きた問題が、婚活以外の日常生活でも繰り返している場合は、地域支援へ分けて考える意味があります。
たとえば、次のような場合です。
- 行政手続きや生活管理が難しく日常生活に支障がある
- 仕事・生活・対人関係の問題が重なっている
- 地域で利用できる相談先を知りたい
- 医療機関や就労支援の情報を確認したい
支援内容や利用方法は地域によって異なります。自分の居住地域を担当する発達障害者支援センターや自治体窓口へ、実際の困りごとを伝えて確認してください。
仕事・就労の問題は婚活と分けて考える
婚活が進まない背景に、仕事の疲労、勤務時間の不安定さ、職場での困りごと、離職の繰り返しなどがある場合があります。
この場合、プロフィールや会話だけを改善しても負担の原因が残ることがあります。
仕事の問題が生活全体へ影響しているなら、婚活担当者だけで抱えず、発達障害者支援センター、ハローワークなどの就労支援へ分けて相談する方法があります。
診断・治療・薬・強い不安は医療の領域
「会話が苦手だからASDかもしれない」「返信や予定を忘れるからADHDかもしれない」と感じることはありますが、婚活上の行動だけで診断することはできません。
診断を受けるか、自分の状態を医学的に確認したいか、治療や服薬について相談したいかは、婚活カウンセラーではなく医療機関の領域です。
また、婚活による不安や落ち込みが強く、睡眠や仕事、日常生活にまで影響している場合も、婚活相談だけで解決しようとせず、必要に応じて医療・心理的支援を検討します。
婚活するために全員が診断を受けなければならない、という意味ではありません。診断を受けるかどうかは、本人の状態や希望を含めて考えます。
交際相手との関係調整は「婚活支援」「心理支援」「二人の話し合い」を分ける
交際中に起きる問題も、すべて発達障害の支援へまとめる必要はありません。
結婚相談所を利用している場合、交際の進め方や相手側への確認は担当者へ相談できます。
一方、二人のコミュニケーションや関係調整そのものを継続して第三者と扱いたい場合は、成人の発達障害だけでなく、対人関係やカップル支援の経験がある心理職等を検討する場合があります。
ただし、最終的に誰と交際・結婚するかを支援者に決めてもらうものではありません。支援は、事実と未確認事項を整理し、本人が判断しやすくするために使います。
ASD・ADHDなど特性別の支援は別ページで確認する
このページは発達障害全般の「相談先の使い分け」を扱っています。
特性別に婚活で起きやすい場面を確認したい場合は、次の記事へ進んでください。
ASDでは、会話の曖昧さ、予定変更、感覚的な負担などが論点になる場合があります。ADHDでは、返信忘れ、予定管理、同時進行、判断を急ぎやすい場面などが論点になる場合があります。
ただし、診断名だけで困りごとを決めつけず、本人に実際に起きている問題から考えることが前提です。
支援量は多ければよいわけではない
必要な支援量は人によって違います。
たとえば、最初はプロフィール作成やデート後の振り返りを一緒に行い、慣れてきたら難しい場面だけ相談する方法もあります。
一方、婚活実務は自分で進められるものの、生活や就労の負担だけ別の支援へ相談した方がよい人もいます。
目標は「支援を使わないこと」でも「すべて支援者に任せること」でもありません。本人が活動や生活を続けやすい方法を作ることです。
困りごと別・相談先の目安
プロフィール・相手探し・お見合い・デート・交際
→ 結婚相談所、婚活カウンセラーなど婚活支援。
発達特性による生活・対人・地域生活の困りごと
→ 発達障害者支援センター、市町村等の相談窓口。
仕事・就労が生活や婚活へ大きく影響している
→ 発達障害者支援センター、ハローワーク等の就労支援。
診断を受けるか迷う・診断や治療を相談したい
→ 必要に応じて医療機関。地域の相談窓口で医療機関情報を確認する方法もあります。
強い不安・抑うつ・睡眠など日常生活への影響がある
→ 医療機関や心理的支援を検討。
交際相手との関係調整を第三者と扱いたい
→ 婚活担当者の支援範囲を確認し、必要に応じて対人関係・カップル支援の経験がある心理職等を検討。
よくある質問
発達障害があるなら婚活サポートを使った方がいいですか?
診断があるだけで支援が必要とは限りません。自分で活動できる部分と、繰り返し止まる部分を分け、必要なところにだけ支援を使う方法があります。
発達障害者支援センターで婚活相談はできますか?
結婚相手を紹介する機関ではありません。生活・就労・対人関係など発達特性に関連する困りごとについて相談できる場合があります。対応範囲は地域によって異なるため、担当センターへ確認してください。
婚活するために発達障害の診断を受ける必要がありますか?
全員に必要ではありません。自分の状態を医学的に確認したい、生活上の困りごとが強い、治療について相談したい場合などは医療機関への相談を検討できます。
結婚相談所のカウンセラーに薬や治療について相談できますか?
婚活への影響を共有することはできますが、診断・治療・服薬判断は医療機関の領域です。
一般の結婚相談所でも発達障害について相談できますか?
相談所によります。診断名への対応可否だけではなく、予定調整、振り返り、相手への伝え方など、自分が必要とする具体的な支援を提供できるか確認してください。
まとめ|婚活・生活・仕事・医療を一つの支援先へまとめない
発達障害の婚活で支援を使うときは、最初から「発達障害専門の婚活サービス」だけを探す必要はありません。
プロフィール、お見合い、デート、交際の進め方なら婚活支援。
生活・地域生活の問題なら発達障害者支援センターや自治体相談。
仕事が大きな問題なら就労支援。
診断、治療、薬、強い不安などは医療。
このように、実際に止まっている作業を支援先ごとに分けることが基本です。
発達特性を含む婚活テーマは、性格・特性から探すから確認できます。婚活サービス全体を比較する場合は、婚活サービスから探す、結婚相談所を検討している場合は、結婚相談所の選び方もご覧ください。
参考・確認先
- 厚生労働省|発達障害者支援施策の概要
- 国立障害者リハビリテーションセンター|発達障害者支援センターとは
- 国立障害者リハビリテーションセンター|発達障害者支援センター・一覧
- 厚生労働省|障害のある人に対する相談支援
- 厚生労働省|発達障害者の就労支援
- 発達障害情報のポータルサイト|診断や医療機関への受診について
- IBJ|婚活カウンセラーのサポート
※この記事は発達障害と婚活支援についての一般的な情報です。発達障害者支援センター、自治体相談、医療機関、心理支援、婚活サービスの利用対象・支援内容は機関や地域によって異なります。最新の対応内容は各窓口へご確認ください。婚活上の行動だけからASD・ADHD等を診断することはできません。診断・治療・服薬など医学的な相談は医療機関へご相談ください。

