結婚相談所を比較すると、「成婚率10%」「成婚率50%以上」「成婚率80%」など、大きく異なる数字が見つかります。数字だけを見ると、高い相談所ほど結婚できそうに感じるかもしれません。
しかし、結婚相談所の成婚率には業界共通の計算式がありません。成婚の定義、分母、対象期間、集計対象が違えば、同じ活動実績から別の成婚率を作ることもできます。
この記事では、結婚相談所の成婚率の計算方法、「平均10%」という情報の出典、高い数字を見るときの注意点、無料相談で確認したい質問まで解説します。
結婚相談所の成婚率は、数字だけでは比較できない
結論からいうと、計算条件がそろっていない成婚率を並べても、公平な比較にはなりません。
少なくとも、次の五つが同じである必要があります。
- 何を「成婚」と定義しているか
- 分子に誰を数えているか
- 分母に誰を数えているか
- いつからいつまでを集計したか
- 全会員、退会者、特定プランなど、誰を対象にしたか
IBJの公式な結婚相談所選びの解説でも、成婚率は成婚の定義や算出方法が統一されておらず、在籍会員数と退会者数など分母の違いを確認するよう案内されています。
成婚率の主な計算方法
「成婚率」という同じ名称でも、実際には異なる指標が使われています。
| 計算例 | 読み取れること | 注意点 |
|---|---|---|
| 成婚退会者数 ÷ 全退会者数 | 退会した人のうち成婚退会だった割合 | 活動中の会員は分母に入らない |
| 年間成婚者数 ÷ 年間平均在籍会員数 | 在籍規模に対する1年間の成婚発生数 | 入会者一人の最終的な成婚確率とは異なる |
| 一定期間の成婚者数 ÷ 同期間の利用者数 | 対象期間の利用者に対する成婚者の割合 | 利用者の定義と在籍期間を確認する必要がある |
| 特定時期の入会者の成婚数 ÷ 同時期の入会者数 | 同じ入会集団を追跡した成婚割合 | 追跡期間が短いと、活動中の人を未成婚として扱うことがある |
| 利用経験者へのアンケートで婚約した人数 ÷ 回答者数 | 調査回答者の成婚経験割合 | 相談所の業務データとは対象や集計方法が違う |
どの式にも用途はあります。問題は、異なる式で計算した数字を同じ「成婚率」として順位付けすることです。
同じ実績でも計算式によって20%にも40%にもなる
架空の結婚相談所で、1年間に成婚退会した人が20人、成婚以外で退会した人が30人、年間平均在籍会員数が100人だったとします。
| 計算方法 | 計算 | 表示される成婚率 |
|---|---|---|
| 全退会者を分母にする | 20 ÷(20+30) | 40% |
| 年間平均在籍会員を分母にする | 20 ÷ 100 | 20% |
成婚者はどちらも20人ですが、分母を変えるだけで数字は2倍になります。40%が虚偽で、20%だけが正しいという意味ではありません。それぞれ何を表しているかが違います。
広告に成婚率だけが大きく表示され、計算式が見つからない場合は、その数字から自分が結婚できる可能性を判断できません。
成婚の定義が違えば分子も変わる
計算式の前に確認したいのが「成婚」の定義です。結婚相談所では、必ずしも入籍だけを成婚と数えるわけではありません。
- 双方が結婚意思を確認した時点
- プロポーズを受け、婚約が成立した時点
- 結婚を前提とした交際で退会した時点
- 同棲、宿泊など規約上のみなし成婚に該当した時点
- 実際に婚姻届を提出した時点
真剣交際への移行を成果とするサービスと、婚約まで支援するサービスでは、同じ成婚率でも到達している段階が違います。成婚料が発生する条件とも関係するため、入会前に契約書で確認してください。
「結婚相談所の平均成婚率は約10%」は現在の平均ではない
検索結果では、結婚相談所の平均成婚率として「男性8.4%、女性10.1%」という数字がよく引用されています。
出典は、経済産業省が2006年に公表した「少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究」です。調査では、成婚者数を把握していると回答した事業者について、2004年度の平均成婚者数を調査時点の平均会員数で割り、「暫定成婚率」を算出しています。
経済産業省「少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究 資料編」(国立国会図書館WARP)
これは20年以上前の調査であり、現在の結婚相談所全体を同じ方法で集計した最新平均ではありません。オンライン相談所や会員連携の仕組みも変わっています。
「10%だから結婚相談所では10人に1人しか結婚できない」「50%なら業界平均の5倍結婚しやすい」と読むことはできません。年代の違う調査や異なる計算式を、そのまま比較しないようにしましょう。
公式サイトの成婚率は注記まで読む
公式サイトで数字が公開されている場合は、数値の近くにある小さな注記を確認します。注記には、分母、対象期間、除外条件など、比較に必要な情報が書かれていることがあります。
たとえばTMSの公式ページは、加盟相談所の平均成婚率を55.7%と掲載しています。同時に、次の条件も明記しています。
- 各加盟相談所について、全退会者のうち成婚退会者の割合を計算
- 他連盟での退会を除外
- 全加盟店の成婚率を平均
- 対象期間は2023年1月から12月
この55.7%は、2026年に入会した全会員の半数以上が将来成婚することを保証する数字ではありません。2023年の退会者を基に、加盟相談所ごとの率を平均した指標として読む必要があります。
また、パートナーエージェントの公式サイトにある「成婚率No.1」は、2026年5月に行われた利用経験者へのインターネット調査に基づく表示です。注記には、調査対象、調査方法、成婚の定義、計算式、成婚者数の集計期間が記載されています。
事業者が保有する全会員の活動記録から計算した指標と、利用経験者への調査結果は性質が違います。どちらも「成婚率」という文字だけで判断せず、調査設計を確認します。
成婚率が高くなりやすい条件
成婚率の差には、サポート品質以外の要因も影響します。
分母を退会者だけにする
活動中の会員を除き、退会した人だけを分母にすると、在籍会員を含める計算より数字が高くなる場合があります。ただし、活動中の人は結果がまだ決まっていないため、退会者だけを対象にする合理性もあります。
入会条件を絞る
年齢、年収、地域、活動意欲などで入会対象を狭くすると、集まる会員の構成が変わります。高い成婚率が、支援だけでなく入会者の選択によって生じている可能性も確認します。
対象プランや会員を限定する
全会員ではなく、特定プラン、一定期間以上活動した人、担当者の支援を継続した人だけを集計すると、全体とは違う数字になります。
成婚の段階を早く設定する
婚約より前の交際段階を成婚と定義すれば、婚約までを成婚とする場合より分子に入る人が増える可能性があります。成婚率と支援の終了地点を一緒に確認する必要があります。
小規模な相談所で少人数を集計する
1年間に4人が退会し、4人全員が成婚退会なら、その年の退会者ベースの成婚率は100%です。計算としては間違いではありませんが、翌年に1人が成婚退会、3人が中途退会なら25%になります。人数が少ないほど年ごとの変動が大きくなります。
成婚率80%や100%は嘘なのか
高い成婚率だけで虚偽とは判断できません。退会者を分母にする、特定プランだけを対象にする、小規模な母集団を集計するなど、条件によって高い数字は生じます。
確認できないのは、その数字が「入会した自分が結婚できる確率」を表しているかどうかです。次の情報が公開されていなければ、率の高さを比較材料として使うのは難しくなります。
- 計算式
- 成婚の定義
- 分子と分母の実人数
- 集計期間
- 対象プラン
- 途中退会者と活動中会員の扱い
- 自社会員同士の成婚を一人と数えるか二人と数えるか
- 他社・他連盟で成立した成婚の扱い
成婚率を比較するときの7つの確認項目
- 「成婚」が婚約、交際開始、入籍のどれか
- 分母が入会者、在籍会員、利用者、退会者のどれか
- 分子と分母が同じ期間・同じ集団か
- 対象期間が直近1年か、数年間の累計か
- 対象が全会員か、特定プラン・年代などに限られるか
- 割合だけでなく分子と分母の人数が公開されているか
- 自社集計、第三者調査、会員アンケートのどれか
二つの相談所を比べるなら、最低でも「成婚の定義・分母・対象期間」が一致しているかを確認します。一つでも違う場合は、成婚率の大小だけで順位を付けない方が安全です。
自分に近い成婚実績を見るときの注意点
全会員の成婚率より、同年代や同じ地域の実績を知りたい人もいるでしょう。条件を絞ったデータは参考になりますが、対象人数が少なくなりやすい点に注意してください。
「40代の成婚率60%」と聞いた場合は、60%だけでなく、対象者が5人なのか500人なのかを確認します。性別、地域、プラン、入会条件が違えば、自分にそのまま当てはまる数字でもありません。
個人の結果には、次の要素も関係します。
- 希望する年齢や地域に活動中の相手がいるか
- 月に申し込める人数と紹介方法
- 活動へ使える時間
- プロフィールや希望条件を見直せるか
- お見合い後に振り返りと改善ができるか
- 担当者の支援が自分に必要な内容と合っているか
成婚率は事業者全体の過去データです。自分の結婚を約束する保証値でも、個人の魅力を評価する点数でもありません。
成婚率より一緒に確認したい実績
成婚率だけでは活動の途中が見えません。次の指標も確認すると、自分が利用する場面を想像しやすくなります。
| 確認する指標 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| 成婚者数 | 一定期間に生まれた成婚の規模 | 会員同士の一組を二人と数える場合がある |
| 成婚までの活動期間 | 成婚した人が活動した期間 | 成婚しなかった人は含まれないことがある |
| お見合い成立数 | 出会いが生まれた規模 | 会員数や申込み数が違うと比較しにくい |
| 交際成立数 | お見合い後に交際へ進んだ規模 | 仮交際の定義を確認する |
| 中途退会者数 | 成婚以外で活動を終えた人数 | 理由までは分からない場合がある |
| 年代・地域別の会員数 | 希望条件に近い候補の規模 | 重複会員や休会者を含む場合がある |
さらに、申込み可能数、紹介人数、相談頻度、休会・中途解約条件、料金総額も比較します。高い成婚率が表示されていても、自分の生活では利用しにくい仕組みなら、十分に活動できない可能性があります。
成婚率が非公開の相談所は避けるべき?
成婚率を公開していないことだけで、質が低いとは判断できません。統一された計算方法がないため、誤解を避けて成婚者数や活動期間のみを公表する事業者もあります。
一方、質問しても成婚の定義を説明できない、公開した数字の計算式を示さない、相談所に都合のよい期間だけを強調する場合は慎重に確認しましょう。
見るべきなのは「高い数字を出しているか」より、数字の意味を検証できる情報があるかです。
無料相談でそのまま使える質問
- こちらでいう「成婚」は、どの段階を指しますか?
- 掲載されている成婚率の計算式を教えてください
- 分子の成婚者数と、分母の人数は何人ですか?
- いつからいつまでの実績ですか?
- 全プランの会員が対象ですか?
- 活動中の会員と中途退会者は分母に含まれますか?
- 自社会員同士の一組は一件と二人のどちらで数えますか?
- 自分の年代・希望地域で、直近1年の成婚者は何人ですか?
- 成婚率以外に、お見合いや交際の実績を確認できますか?
回答をメモし、公式ページや契約書の記載と一致しているか確認します。即答できない項目があっても、後日書面で回答してもらえるなら比較できます。
結婚相談所全体の比較項目は、結婚相談所を選ぶ前に確認したいポイントで解説しています。アプリやオンライン型を含めて選びたい場合は、婚活サービスの違いも確認してください。
結婚相談所の成婚率に関するよくある質問
結婚相談所の平均成婚率は何%ですか?
現在の結婚相談所全体を、統一された定義と計算式で集計した最新平均は確認できません。約10%という数字は2006年公表の経済産業省調査にある暫定成婚率であり、現在の業界平均としてそのまま使うことはできません。
成婚率50%は二人に一人が結婚できるという意味ですか?
そうとは限りません。全退会者のうち成婚退会者が50%という意味なら、活動中の会員は計算に含まれていません。成婚の定義、分母、集計期間を確認してください。
成婚率が高い結婚相談所が一番おすすめですか?
成婚率だけでは決められません。計算条件が異なるほか、希望地域の会員数、申込み可能数、紹介方法、担当者の支援、料金、退会条件が自分に合うかも結果に関係します。
成婚率100%という表示はあり得ますか?
小規模な相談所で、対象期間の退会者全員が成婚退会した場合などは計算上あり得ます。対象人数が少ないほど数字が大きく変動するため、実人数と複数年の推移を確認しましょう。
成婚者数と成婚率はどちらを見ればよいですか?
両方に意味があります。成婚者数は成果の規模、成婚率は特定の分母に対する割合です。成婚者数も、一組を一件と数えるか会員二人と数えるかを確認してください。
自分の成婚確率を教えてもらえますか?
事業者全体の成婚率から、個人の確率を正確に計算することはできません。同年代・同地域の実績があっても参考値です。希望条件に合う会員数や、実際に使える申込み・紹介の仕組みを合わせて確認します。
成婚率の計算式が書かれていない場合はどうしますか?
無料相談で、成婚の定義、分子、分母、対象期間、対象プランを質問してください。確認できない場合、その成婚率は他社比較や入会判断には使わない方が安全です。
まとめ|成婚率は、分母と定義を確認してから使う
結婚相談所の成婚率には統一された計算式がありません。退会者を分母にするか、在籍会員を分母にするか、成婚を婚約とするか別の段階とするかで数字は変わります。
約10%という数字は2006年公表の古い調査に基づく暫定値であり、現在の全国平均とはいえません。50%や80%という数字も、計算条件を確認せずに自分の結婚確率として読むことはできません。
比較するときは、成婚の定義、計算式、実人数、期間、対象者を確認します。そのうえで、希望地域の会員数、活動方法、相談体制、費用、退会条件まで見れば、数字の印象だけに左右されにくくなります。

