結婚相談所をやめたいと思っても、「支払った費用はいくら戻るのか」「違約金を請求されるのか」「クーリング・オフはまだ間に合うのか」が分からず、手続きを止めてしまうことがあります。
返金額は、契約日だけでなく、法定書面を受け取った日、サービスの開始状況、すでに提供された役務、契約総額によって変わります。担当者から口頭で金額を聞くだけでは、計算が正しいか判断できません。
この記事では、結婚相談所の中途解約について、クーリング・オフとの違い、返金額と解約料の考え方、通知の手順、契約書で確認する項目、困ったときの相談先まで解説します。
※本記事は2026年9月3日時点の公的情報に基づく一般的な解説です。個別の契約について法的判断を行うものではありません。事業者と見解が分かれる場合は、消費者ホットライン「188」などへ相談してください。
- 申込書面、契約書面、規約、料金表、領収書を集める
- 書面を受け取った日とサービス開始日を確認する
- 契約期間と支払総額を確認する
- 8日以内ならクーリング・オフをすぐ検討する
- 8日を過ぎているなら中途解約の精算内訳を書面で求める
- 説明や金額に納得できなければ、支払う前に188へ相談する
結婚相談所をやめる手続きは3つに分かれる
「退会したい」と伝える前に、自分がどの手続きに該当するかを確認します。名称が似ていても、条件と金銭の扱いは異なります。
| 手続き | 主な場面 | 金銭の扱い |
|---|---|---|
| クーリング・オフ | 対象契約で、法定書面を受け取ってから原則8日以内 | 無条件で解除でき、解約料や違約金は不要 |
| 中途解約 | クーリング・オフ期間後に、契約期間の途中でやめる | 提供済みサービスと法定上限内の解約料を精算 |
| 契約上の退会 | 特定継続的役務の対象外となる短期・少額契約など | 契約条項を確認。請求に疑問があれば相談する |
結婚相手が見つかって活動を終える「成婚退会」は、通常の中途解約とは目的も費用も異なります。成婚の定義や成婚料は契約書で別に確認してください。
特定商取引法の対象になる結婚相談所
結婚相手紹介サービスのうち、次の2条件を満たす契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当します。
- 契約期間が2か月を超える
- 契約金額が5万円を超える
対象契約には、契約前の概要書面と契約後の契約書面の交付、クーリング・オフ、中途解約などのルールが設けられています。オンライン型か店舗型かだけで対象・対象外は決まりません。
契約名が「サポートプラン」「会員登録」などでも、実際のサービス内容、期間、総額から判断されます。月会費だけを見るのではなく、入会金、登録料、活動サポート費などを含む契約全体を確認してください。
公的な制度の概要は、消費者庁「特定継続的役務提供」で確認できます。
契約書面を受け取って8日以内ならクーリング・オフを確認
対象となる結婚相手紹介サービスは、申込書面または契約書面を受け取った日のうち早い方を1日目として、原則8日以内ならクーリング・オフできます。理由を説明する必要はありません。
クーリング・オフが成立すると、事業者は解約料や損害賠償を請求できず、すでに受け取った金銭を返還する必要があります。サービスが一部始まっていても、対象期間内であれば提供済み役務の対価を支払う必要はありません。
通知は書面または電磁的記録で行う
はがきなどの書面に加え、電子メールや事業者の専用フォームなどの電磁的記録でも通知できます。電話だけで終わらせず、いつ、どの内容を通知したか残る方法を選びます。
クーリング・オフは、期間内に通知を発信すれば効力が生じます。はがきは両面をコピーして特定記録郵便や簡易書留など発送記録が残る方法を使い、メールやフォームは送信画面と送信済み内容を保存します。
クレジット契約がある場合
相談所への支払いに個別クレジット契約を利用している場合は、結婚相談所だけでなくクレジット会社にも通知します。カード払いやローンの処理を自己判断で放置せず、通知先と今後の請求を確認してください。
契約解除通知
契約年月日:○年○月○日
サービス名:○○プラン
契約金額:○○円
事業者名:○○株式会社
上記契約をクーリング・オフします。支払済みの○○円を返金してください。
通知日:○年○月○日
住所:○○
氏名:○○
※通知先や記載事項は契約書面も確認してください。クレジット契約がある場合は、クレジット会社への通知も必要です。
8日を過ぎていても相談した方がよいケース
法定書面を受け取っていない、書面に重要事項の不足がある、事実と異なる説明や威迫によってクーリング・オフを妨げられた可能性がある場合は、8日を過ぎていても期間が始まっていない、または例外が認められる可能性があります。
自分だけで有効・無効を決めず、契約書面とやり取りを手元に置いて消費生活センターへ相談してください。
8日を過ぎた後も中途解約できる
特定継続的役務に当たる結婚相手紹介サービスは、クーリング・オフ期間を過ぎた後でも、契約期間中なら将来に向かって中途解約できます。
契約書に「途中退会不可」「支払済み費用は一切返金しない」と書かれていても、それだけで法定の中途解約権がなくなるわけではありません。まず対象契約かを確認し、精算の根拠を求めます。
結婚相談所の解約料・違約金の上限
中途解約で事業者が請求できる損害賠償額や違約金には上限があります。上限は、サービス開始前と開始後で異なります。
| 解約する時点 | 事業者が請求できる上限 |
|---|---|
| サービス開始前 | 3万円 |
| サービス開始後 | 提供済みサービスの対価+「2万円」または「契約残額の20%」の低い方 |
これは請求してよい上限です。どの契約でも必ず上限額を払うという意味ではありません。契約で定めた解約料が上限より低い場合や、事業者に損害がないため請求額が低くなる場合もあります。
計算例
仮に、支払済み金額が30万円、提供済みサービスの対価が10万円、契約残額が20万円だとします。
- 契約残額20万円の20%:4万円
- 法定の比較額:2万円
- 低い方:2万円
- 負担額の上限:提供済み10万円+2万円=12万円
- 返金額の目安:支払済み30万円-12万円=18万円
この例は仕組みを理解するための単純化した計算です。実際は、契約金額と支払済み金額の違い、提供済みサービスの内訳、関連する商品やクレジット契約などによって変わります。
返金額は「支払済み金額-精算額」で確認する
「入会金は返金しない」「登録料はすでに消化した」と説明されても、名称だけで判断できません。その費用がどのサービスの対価で、いつ提供済みになったのかを確認します。
事業者には、次の項目を記載した精算書を求めてください。
- 契約総額
- 支払済み金額
- サービス開始日と解約日
- 提供済みとするサービスの項目、単価、数量
- 未提供分の契約残額
- 解約料の計算式と根拠条項
- 最終的な返金額または追加請求額
- 返金方法と予定日
プロフィール作成、システム登録、紹介、面談など、どこまで提供済みかで精算額が変わります。「活動開始済み」という一言でまとめず、項目ごとの説明を受けます。
結婚相談所を中途解約する手順
1.契約関係の資料を保存する
概要書面、契約書面、会員規約、料金表、領収書、クレジット契約書、担当者とのメールやチャットを保存します。会員ページが退会後に見られなくなる可能性があるため、必要な画面は解約前に保存してください。
2.契約日と書面受領日を分けて確認する
クーリング・オフの起算点は、単に入金した日や面談した日とは限りません。申込書面・契約書面を受け取った日を確認します。電子交付に同意した場合は、メールや会員ページの交付記録も調べます。
3.解約日までの活動状況を整理する
紹介数、申込み、お見合い、面談、プロフィール作成などを時系列で一覧にします。今後のお見合いや交際がある場合は、相手側へ影響する手続きとキャンセル料も確認します。
4.記録が残る方法で解約を通知する
電話や面談で相談した場合も、最終的な解約の意思、希望する解約日、精算書の送付依頼をメールや書面で残します。担当者を責める文章より、必要事項を短く明確に書く方が手続きを進めやすくなります。
契約中の○○プランについて、○年○月○日付で中途解約を希望します。
解約の受付方法と必要書類をご案内ください。また、契約総額、支払済み金額、提供済み役務の内訳、解約料の計算根拠、返金額、返金予定日が分かる精算書を書面またはメールで送付してください。
今後の請求がある場合は、金額と根拠も併せてご提示ください。
5.精算内容を確認してから合意する
「今日決めれば減額する」などと急かされても、計算書を確認する前に合意書へ署名する必要はありません。契約書の条項、実際の提供内容、法定上限を照合します。
クレジットやカード払いが残っている場合は、事業者への解約通知だけで請求が自動停止するとは限りません。契約関係と精算内容を示し、クレジット会社やカード会社にも今後の手続きを確認します。
「希望する相手を紹介されない」だけで全額返金になるとは限らない
結婚相談所は、出会いや交際の機会、活動支援を提供するサービスです。通常、結婚そのものを保証する契約ではありません。成婚しなかった、希望条件に合う人と会えなかったという結果だけで、当然に全額返金されるとは限りません。
一方で、契約時に約束された紹介や面談が行われていない、会員数やサービス内容について事実と異なる説明があった、重要な不利益を説明されなかったといった場合は、単なる結果への不満とは事情が異なります。
広告、説明資料、担当者とのやり取り、実際の提供履歴を保存し、何が約束と違うのかを具体的に整理してください。
契約前に確認したい12項目
中途解約のトラブルを避けるには、無料相談の段階で料金総額と終了時の条件まで確認します。
- 契約期間とサービス開始日
- 入会から退会までの支払総額
- 入会金、登録料、活動サポート費の内容
- 紹介人数、お見合い申込み数、面談頻度
- 各サービスが「提供済み」になる時点
- クーリング・オフの方法と通知先
- 中途解約の申出方法と解約日
- 開始前・開始後の解約料
- 未提供分の返金計算
- 休会、プラン変更、担当者変更の条件
- 成婚の定義と成婚料が発生する時点
- 更新、退会、個人情報削除の手続き
料金が高い相談所ほど解約条件が柔軟とは限りません。自分で予定や相手選びを管理できる人なら、総額を抑えたオンライン型や別の婚活方法が合理的な場合もあります。比較するときは、料金と必要な支援を一緒に見てください。
相談所の契約、料金、支援内容をまとめて比較したい場合は、結婚相談所の選び方ガイドも参考にしてください。
契約を急がず持ち帰った方がよいサイン
- 「今日だけ安い」と即日契約を強く勧められる
- 概要書面や契約書面を契約前に読ませてもらえない
- 支払総額や追加料金への質問に明確な回答がない
- 中途解約の計算方法を説明してもらえない
- 「必ず結婚できる」など結果を保証する説明がある
- 広告の内容と契約書に書かれたサービスが違う
- 口頭の特典を契約書やメールへ残してもらえない
無料相談は契約を決める場ではなく、比較材料を集める機会として利用できます。いったん持ち帰り、総額と解約条件を他社と比べても問題ありません。
解約や返金でもめたときの相談先
消費者ホットライン「188」
最寄りの消費生活センターなどにつながる全国共通の番号です。契約書、請求書、事業者とのやり取りを手元に置き、契約の経緯と希望する解決を伝えます。
クーリング・オフの通知方法と証拠の残し方は、国民生活センター「クーリング・オフ」でも確認できます。
クレジット会社・カード会社
分割払いやカード払いがある場合は、事業者との解約状況、請求内容に争いがあることを伝え、必要書類と手続きを確認します。事業者への連絡をせず、単に引き落としを止める行動は新たな問題につながるため避けてください。
弁護士や法テラス
請求額が大きい、事業者が交渉に応じない、虚偽説明や強引な勧誘が疑われる場合は、法律の専門家への相談も検討します。
結婚相談所の中途解約に関するFAQ
電話で退会を伝えるだけで解約できますか?
事業者が定める受付方法は契約によります。ただし、言った・聞いていないという争いを避けるため、電話後に解約日と依頼内容をメールや書面で送って記録を残してください。
クーリング・オフの8日間に土日や祝日は含まれますか?
含まれます。営業日ではなく暦日で数えます。最終日が休日でも先延ばしにせず、期間内に発信記録が残る方法で通知します。
オンラインで契約した結婚相談所もクーリング・オフできますか?
オンライン契約という理由だけで対象外にはなりません。実際のサービス内容、契約期間、金額が特定継続的役務の条件を満たすかを確認します。
サービスが始まっていてもクーリング・オフできますか?
対象期間内であれば、サービス開始後でもクーリング・オフできます。期間後は中途解約として、提供済みサービスと解約料を精算します。
「入会金・登録料は返金不可」と書いてあります
費用の名称だけで返金対象外と決まるわけではありません。その費用に対応する役務、提供済みの時点、解約時の計算根拠を事業者へ確認してください。
紹介を一度も受けていなければ全額戻りますか?
プロフィール作成やシステム登録、初回面談など、紹介以外のサービスが提供済みと扱われる場合があります。全額返金と決めつけず、項目別の精算書を求めます。
解約料が3万円を超えています
3万円はサービス開始前の上限です。開始後は、提供済みサービスの対価に「2万円または契約残額の20%の低い方」を加えた額が上限となります。請求の内訳を確認し、不明なら188へ相談してください。
解約を申し出たら別プランへの変更を勧められました
続ける意思がなければ、その場で変更契約へ同意する必要はありません。新しいプランの総額と解約条件も別契約として確認し、持ち帰って判断します。
返金はいつ行われますか?
中途解約の返金時期は、契約や精算手続きによって異なります。返金額だけでなく、返金方法と予定日を書面で確認します。クーリング・オフ後の返金が進まない場合は、通知記録を用意して188へ相談してください。
交際中でも中途解約できますか?
中途解約の可否と、交際相手との関係をどのように終了・継続するかは分けて確認します。相談所や連盟のルールによっては、交際終了や成婚退会に関する手続きが必要になるため、解約日より前に担当者へ確認してください。
解約通知前の最終チェックリスト
- 概要書面・契約書面・規約・料金表を保存した
- 書面を受け取った日を確認した
- 契約期間と契約総額を確認した
- サービス開始日と提供履歴を確認した
- クーリング・オフと中途解約を区別した
- 記録が残る方法で通知する準備をした
- 提供済みサービスの内訳を求めた
- 解約料の計算式と法定上限を照合した
- 返金額、返金方法、返金予定日を確認した
- クレジット会社への連絡が必要か確認した
- 疑問が残る場合は、合意や支払いの前に188へ相談する
まとめ|8日以内か、サービス開始前後かを最初に確認する
結婚相談所を解約したいときは、まず法定書面を受け取った日を確認します。対象契約で原則8日以内ならクーリング・オフ、期間後なら中途解約のルールを検討します。
中途解約の精算では、提供済みサービスの対価と解約料の内訳が重要です。「返金不可」「違約金が必要」という口頭説明だけで判断せず、契約条項と計算書を受け取ってください。
相談所の説明と法定ルールが合わない、書面が見当たらない、強引な勧誘があった場合は、記録を保存して消費者ホットライン188へ相談します。
現在の相談所をやめた後の選択肢を考える場合は、婚活サービスの比較ページで、アプリ、相談所、パーティーなどの違いも確認できます。

